「みえないちから」@ICC
志水児玉の「クライゼンフラスコ」は部屋いっぱいにフラスコのレーザー投射がひろがってきれい。フォトジェニックな作品。
フォルマント兄弟の「お化け屋敷」は、次の部屋へ次の部屋へという暗闇の移動がおどろおどろしくていい感じ。ただ、結論が理に落ちていて残念。
エキソニモのSUPERNATURALはUstreamを使ったバーチャル空間の具体化。こちらの動きがちょっと遅れるところがデジタルながら距離感を感じさせる。
オープンスペースにもくつかの作品があった。
渋谷慶一郎が無響室でやった「for maria anechoic room version」は一人ずつ3分間の体験。反響しない部屋での24.4チャンネルのド迫力サウンドはまさに浮遊感覚。
藤幡正樹の「モレルのパノラマ」は360度カメラをリアルタイムにプロジェクター表示し、それに藤幡自信が事前に撮影しておいた映像を取り巻かせるというもの。今度は360度映像を360度に表示できる仕組みが必要なのでは。
クワクボリョウタの「10番目の感傷(点・線・面)」は、線路を移動する列車のライトで壁に風景が投影されるというもの。シンプルでノスタルジック。
ここには迷走するメディアアートの現状が知りたくて毎年一回は行くのですが、やっぱり迷っているようでした。
美術史や現在アートの文脈からメディアアートを捉えなおすか、いっそのことアニメや漫画、映画のテクノロジーと割り切ればいいのに。
ところで、看視の若い子たちはボランティアなのでしょうか。ここは他の美術館とは一風変わったゆるい雰囲気で、好印象です。