所沢ビエンナーレ引込線
鉄道の車輌工場だけあって天井が高く奥行きもはるかに深いです。インダストリアルで現代アートにぴったりのこんな非現実的な空間が、駅前のショッピングビルのすぐ裏にあったなんて。
作品も若手から大御所まで、みごたえたっぷりでした。伊藤誠のくちばしマスクをつけて街を歩きたい。窪田美紀のペーパーフラワーカーもナンセンスでシンプルだけど華やかだった。
特に第3会場の奥行きが楽しめた。制作パフォーマンスから、写真、オブジェ、巨大キャンバス、巨大織物、彫刻と数メートル進むごとにアートの楽しみが展開する。しかし、点数が多くてなかなか奥まで行き着かない。
ここでは、木村幸恵のビニールカーテンが風に揺れてきれいだった。また、増山士郎の過酷なアーティストの生活をあからさまにしたパフォーマンス(本人はいなかったけど)は素直に同情した。
それにしてもボランティアが少ない。あの広い会場に数名しかいなかった。美大の学生らしき人ばかりだったけど、所沢市民はどうした!と言いたくなる。もっと市民が積極的に関わって欲しいです。また、駅前には人があふれているのだから市民の参加を促すような仕組みが事務局にも求められる。地域に根ざしたアート展を謳っているのに、と思いました。