異界の風景 東京藝大油画科の現在と美術資料@東京藝術大学大学美術館
異界の風景 東京藝大油画科の現在と美術資料@東京藝術大学大学美術館
東京藝大現職教員の作家たちが自作品と、関連する近代の収蔵品を数点ずつチョイスして展示するというもの。錚々たるメンバーが13人もいるので相当大規模。どっかの国際展とは大違いの濃密な空間でした。
地下3階の収蔵品で明らかに横描きの作品が縦に展示されていて、みんな首をひねっていました。看視の方に聞いたところ、あれは一枚の紙の裏と表に描かれていたパステル画で、裏も表も見せたかったのでああなったとのこと。展示する人の自由な感覚が感じられて好印象。
先日中目黒で見たO JUNのスカッとした空虚感に日を空けず再会できてうれしかった。
大西博の展示方法がまた素晴らしい。作品自体はかなり大きいものなんだけど、これにちなんだ作品が国宝モノの青磁の陶器。これをごく小さな窓から触れるくらいの距離で鑑賞する。巨大なキャンバスと顕微鏡的な鑑賞を交互にするという趣向。この展示方法、誰が考えたんだろう。いずれにしても相当デキル!と見た。
小山穂太郎のプロジェクタ映像作品も、巨大な鏡にまず映してからこの反射を壁面に映しこむという手法。
あと、絹谷幸二の「うずもれしは砂の愛」の平面作品と立体作品の対置も興味深かった。モチーフに対する愛着が伝わりました。中西夏之の小品にも出会えてさらに満足。
ついでに藝大キャンパスもぶらぶら。都下の美大と比べると狭いけど、アートどっぷりの日々がしみついていて、やっぱりどこの美大もいいね。