絵のまえで会いましょう | Chie KODA Exhibition : Focusing on everything
絵のまえで会いましょう 幸田千依個展@BankART Studio NYK
プールでくんずほぐれつの人々を描き続ける幸田千依。今回は大きな展示室で過去作品から新作の展示、公開制作までやっていた。
個展の度に公開制作をやっているので声をかけやすいし、あれこれと気さくにお話してくれる。プールの監視員のバイトをやっていたとのことで、らしいね、とか。幸田さんのプールは豊島園ぽいと言ったら、自分でもそんなイメージとか。
以前の寿町で歩く絵のパレードというイベントをやったり、鑑賞者との交流を大事にしているのだろう。かえって、作家が普段どんなに孤独に制作しているのかが垣間見えた。
作品のなかでいちばん惹かれたのが夜の水辺の群像、それからキャンプファイヤー。
これまでの水辺のシリーズなのだけど、この2点には焦点や方向があった。夏の興奮で騒いでいた子どもたちが「ほらアレ。」と意識を合わせたような静けさがあった。
なんでもこの作品は公開制作でなくひとりでこもって制作したようだ。
何でもこのことに引きつけて考えてしまうのはよくないとは思うが、作家が災害のあとに考えたことの昇華なのかもとおもった。もしそうだとしたら、これはいままでに見なかった画家としてのすがすがしい表現だ。