『平等について、いま話したいこと』トマ・ピケティ, マイケル・サンデル
西欧思想界の人気者が現代社会・政治について語り合った対談集。ただし、お互いわかり合っている者同士のやりとりで翻訳もそのまま。なので二人の思想に精通していないと理解しにくい。文字サイズをかなり下げて著者注や訳者注を大量につけるべきだったと思う。また、翻訳も練度が不足している。これでは入門書にもならない。
テーマはお金の価値、グローバリゼーションとポピュリズム、教育制度、連帯、移民など左派思想家として必要なものはすべて取り上げている。しかし、いずれもどれかひとつを深く突っ込んで議論を交わすということがない。やはりふたりの著作をそれぞれ何冊か読む必要があるのだろう。
私は両者が初の有色人種大統領であったオバマを擁する民主党が見放された理由としてエリートを重視し、労働者階級を軽視したことであると見ていることが興味深かかった。こうした状況を打破するには民主社会主義(バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン、AOC)が民主党主流を勝ち取る必要がある。この対談集を読んでいるとその日は意外と近いのかもしれないと思った。