映画『冬冬の夏休み』

映画『冬冬の夏休み』

これも侯孝賢の1984年の作品。

母親の入院で田舎の祖父の家で夏休みを過ごすことになった小学生の冬冬(トントン)と妹の婷婷(ティンティン)。地元の子どもたちや大人たちとの出会いを描いた佳作。

20年前初めて観たとき都会の子が地元の子どもたちに受け入れられるのに驚いた。日本の映画だとこんなときはいじめられるものと決まっているのに。風景や日常も日本と同じようであり微妙に違うのだけど、子どもの気持ちのありようも違うのかと感心した。

地元の名士で医師の祖父とダメ人間の叔父。その彼女。暴力事件を起こす同級生。そしてティンティンに慕われる知恵おくれの女、寒子(ハンズ)。

風景も人も素晴らしい。少年時代のひと夏を描いた映画としてはこのうえない作品。