『台湾有事-歴史・軍事・安定のメカニズム』五十嵐隆幸

『台湾有事-歴史・軍事・安定のメカニズム』五十嵐隆幸

巷間に他聞されるゼロデイドラマ的な台湾有事論を排除して、国際情勢を鑑みた台湾問題を論じた冷静な評論集である。両岸の軍事的能力比を論じた章はもちろんあるが、中国にとって台湾侵攻はどのような意味を持つのかを論じた第5章「軍事侵攻か?平和統一か?」と第6章「『台湾有事』は回避できるか?」が最も興味深かった。中国が平和統一をスローガンとして掲げる理由に「戦わずして勝利することが最も望ましい」というメンタリティを持っていることを指摘している。